キャベツはその栄養価の高さから、私たちの食卓にも頻繁に登場しますが、この緑豊かな野菜は犬にとっても安全な食材なのでしょうか?
本記事では、犬にとってキャベツは安全なのか、またキャベツが犬にたらすメリット、与える際の注意点、適切な量、与え方などを詳しく解説していきます。
愛犬の健康を支えるために、どのようにキャベツを取り入れるべきか、一緒に見ていきましょう。ポイントを理解し、愛犬の健康維持に役立ててくださいね。
【結論】犬はキャベツを食べていい!
犬はキャベツを食べることができます。キャベツに含まれる栄養素は犬の健康維持に貢献しますが、その一方で過剰摂取は体調不良を引き起こす可能性があるため、適量を守って与えることが大切です。
※大前提として、本記事はすべてのわんちゃんにキャベツを推奨するものではありません。
キャベツを与えること自体は問題ありませんが、主食の代わりするのはNGです。キャベツはあくまでおやつ、+αのトッピングとして、常に愛犬の健康を第一に考え、バランスの取れた食事を心がけましょう。この前提をもとに本記事を読み進めてくださいね。
犬にキャベツを与える前に知っておきたい基本知識
犬にキャベツを与える前に、まずは犬とキャベツに関する基本的な知識をおさえておきましょう。
- キャベツの栄養成分と犬における健康効果(メリット)
- 犬がキャベツを食べることによるリスクや注意点
上記についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
キャベツの栄養成分と犬における健康効果(メリット)
キャベツは多くの栄養成分を含んでいることから、犬の健康維持にいい食品の一つとされています。
《主な栄養成分と犬への健康効果》
栄養成分 | 健康効果 |
ビタミンC | 抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、免疫力を高める効果 |
ビタミンK | 犬の骨の健康維持。血液の凝固を促進し、出血を抑える効果 |
食物繊維 | 便秘解消や腸内環境を整える効果 |
カリウム | 体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を調整するのに役立つ |
カルシウム | 骨や歯の形成を促進し、骨粗鬆症予防に効果 |
グルコシノレート | 抗ガン作用や抗炎症作用があり、ガン予防や老化防止に効果 |
犬がキャベツを食べることによるリスクや注意点
犬がキャベツを食べる際にはいくつかのリスクや注意点があります。まず、キャベツは消化が難しく、過剰に与えると消化不良やガスの発生を引き起こす可能性があることです。
特に、生のキャベツは硬くて消化しにくいため、茹でてから少量を与えることをおすすめします。
さらに、キャベツに含まれるチオシアネートという化合物が過剰に摂取されると甲状腺機能に影響を与える恐れがあるため、日常的かつ過剰摂取には注意が必要です。
愛犬の健康を考えた安全なキャベツの選び方と注意点
ここからは、安全なキャベツの選び方や注意点を軸に解説していきます。愛犬がキャベツを安全に楽しめるようポイントをしっかり理解しましょう。
新鮮で安全なキャベツの選び方
キャベツは外から見ても新鮮さがわかる緑の葉物野菜です。葉の部分がしっかりと緑色をしており、鮮やかであること、また、葉の縁が枯れていないことが新鮮な証です。
質感にも注意し、葉っぱがしっかりとしており、カサカサしていないことも重要です。
また、無農薬や有機栽培のキャベツを選ぶとより安心。農薬が少なく、犬にとって害が少ないため、飼い主さまも安心して与えられます。
危険な部位はある?キャベツの「芯」は食べてもいいのか
キャベツ自体が含む成分は犬にとって有害ではなく、危険な部位もありません。基本的にはキャベツの「芯」も食べて大丈夫です。
ただし、硬い芯の部分は特に消化が難しく、大きさによっては喉に詰まらせてしまう危険性もあるため、「愛犬にはあげない」もしくは「茹でたり蒸したりして柔らかくしたのち、細かく刻んで与える」ようにしましょう。
キャベツの「加工食品」はNG
犬にとってキャベツ自体は適量を与えれば健康に良い影響をもたらすことが知られていますが、加工食品に使用されているキャベツは別の話です。
加工食品には、保存のために添加物が含まれていたり、塩分や糖分が多く含まれていたりすることがあります。これらの成分は犬の健康に悪影響を及ぼす可能性が高く、特に塩分過多は腎臓に負担をかける原因となります。
さらに、犬にとって有害な玉ねぎやニンニクなどの食材が混入しているリスクもあるため、加工品は避け、新鮮なキャベツを与えてあげましょう。
愛犬へのキャベツの正しい与え方
ここからは愛犬へキャベツを与える際の適切な量や与え方(処理方法)などについて解説していきます。
【体格別】犬に与えるキャベツの適切な量
安全で健康的な食生活には、適切な量を守ることが大切です。キャベツはあくまで「おやつ」や「トッピング」として考え、1日の必要カロリーの10%までを目安とするのが一般的です。
また、個々の犬の健康状態や活動レベルによっても変わってきます。その点を頭に入れたうえで、一般的な目安となる摂取量を見ていきましょう。
※ここでご紹介する量は、あくまで一般論です。持病がある、健康に不安があるなどの場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえ、飼い主さまの責任のもと与えてください。
体格 | 目安摂取量 |
超小型犬(体重4kg未満) | 約30g前後(葉1/2~3/4枚)程度 |
小型犬(体重5~10kg未満) | 約50g(葉1枚)程度 |
中型犬(体重10~25kg未満) | 約100g(葉2枚)程度 |
大型犬(体重25kg以上) | 約150g(葉3枚)程度 |
※犬の健康状態や活動レベルによっても異なります。
犬にキャベツを与える最適なタイミング
キャベツは主に食事の際のトッピングとして与えている飼い主さまが多い傾向にあります。食事の栄養バランスを考慮して、一日の総摂取カロリーのわずかな割合として加えると良いでしょう。
また、水分も多く含んでいるため、特に活発な運動やトレーニングを行った後に、消化を助けるために少量与えるのも効果的です。
犬が好むキャベツの処理方法・カットの仕方
愛犬にキャベツを与える際は、噛みやすく消化を助けるために、適切な処理方法とカットの仕方が重要です。まずはキャベツをよく洗い、農薬や汚れを除去してください。
また、生ではなく加熱することで消化しやすくなるため、塩分や調味料は使わずに茹でたり蒸したりして、柔らかい状態にしてあげましょう。
中央の硬い芯は前述した通り消化に悪いため、愛犬にはできる限り与えず、与える場合も細かく刻む、もしくはペースト状にして与えてあげるなどの工夫が必要です。
小型犬や子犬の場合は、特に葉を細かくカットすることが消化を助けるポイントとなります。
犬用キャベツおやつのアイデアやおすすめ市販おやつ
キャベツを使った手作りおやつは、低カロリーで犬の健康に良い選択です。市販の健康志向おやつも豊富にあるので、その一部をご紹介します。
犬用キャベツを使ったレシピアイデア
- キャベツと鶏肉のスープ(キャベツと鶏肉を一緒に茹でて、鶏の出汁が効いたスープに!)
- キャベツのサラダ(キャベツを蒸してから少量のオリーブオイルをかけるだけ!)
- キャベツと鮭のホイル焼き(キャベツと鮭をホイルで包んで蒸し焼きに!)
- キャベツと野菜のスムージー(好きな野菜や果物、ヨーグルトを加えてデザート感覚で)
市販のキャベツのおすすめおやつ① | 犬用おやつ 野菜ミックス
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愛犬に必要なビタミンや食物繊維が豊富に含まれているキャベツとニンジンが入った乾燥野菜ふりかけ!
毎日手軽に野菜を与えられる商品は、愛犬の健康を想う飼い主さまにぴったりです。
市販のキャベツのおすすめおやつ② | スムージートリーツ りんごときゃべつ
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りんごとキャベツの優しい甘みと美味しさが一口サイズにぎゅっと詰まったおやつです。
1袋に食物繊維約1000㎎(りんご由来)と、生きて腸まで届く乳酸菌を配合しているため、愛犬のお腹に優しいのも嬉しいポイント。また、食感も柔らかいので、噛む力の弱い子でもおいしく安心して食べられます。
市販のキャベツのおすすめおやつ③ | ささみ・キャベツ・安納芋入りコロコロキューブ
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犬が大好きな、ささみ・キャベツ・安納芋が入った3つのキューブが入った贅沢なおやつです。
小型犬でも安心・嬉しい一口サイズで、トレーニング中のしつけやご褒美にも最適。ちぎりやすい固さで、お出かけでもおうちでも手を汚さずに与えられるのも嬉しいポイントです。
犬にキャベツを食べさせない方がいい場合
キャベツは犬が食べても大丈夫な野菜の一つですが、与えない方が良い場合もあります。
あらゆるリスクを回避するため、特に以下に該当する場合は、キャベツを控えた方がよいでしょう。
- アレルギー体質
- 尿路結石歴があるまたは心配がある
- 甲状腺の持病がある
- 胃腸機能などが弱い
どうして控えた方がよいのか、1つずつ見ていきましょう。
アレルギー体質
犬は人間と同じく食物アレルギーを発症することがあります。キャベツに含まれる何らかの成分がアレルギー反応を引き起こす可能性も否めません。
アレルギー体質の犬には与えない、もしくは獣医師に相談のうえ与えるかどうかを判断しましょう。
尿路結石歴があるまたは心配がある
尿路結石の既往歴がある子、またはそのリスクが懸念される子には、キャベツを与えない方が安心です。
キャベツに含まれるカルシウムやオキサレートといった物質は、尿の中で結晶を形成しやすく、それが結石の原因となることがあります。
甲状腺の持病がある
キャベツに含まれるゴイトロゲンという成分が甲状腺機能に影響を与える可能性があるため、甲状腺の持病がある子にもキャベツは控えましょう。
胃腸機能などが弱い
食物繊維が多いキャベツを過剰摂取してしまうと消化不良を招き、下痢や嘔吐の原因になることがあります。特に、既に消化器系の疾患を抱えている子や子犬・高齢犬では、消化に負担をかける可能性が高まります。
胃腸が弱い子にキャベツを与える場合は、生ではなく蒸したり茹でたりして柔らかくしたうえで、細かく切って与えてあげましょう。それでも不調が見られる場合は、キャベツの摂取を避けるべきです。
アレルギー反応?犬がキャベツを食べた後の注意すべき症状やサイン
前述した通り、犬がキャベツを食べた後にアレルギー反応を示す場合があります。注意すべきサインとしては、以下のような症状が挙げられます。
- 皮膚の発疹・腫れ
- 体のかゆみ
- 嘔吐
- 下痢
- 異常な行動(いつもとは違う行動を繰り返すなど)
万が一、愛犬がキャベツを食べた後にこうした症状が現れた場合は、そのサインを見逃さず、速やかにかかりつけの動物病院に連絡し、指示を仰ぐor受診しましょう。
「犬」と「キャベツ」に関するよくある質問
最後に、犬とキャベツに関するよくある質問にお答えします。
犬にキャベツを与えると尿路結石になる?
キャベツ自体に尿路結石を引き起こす直接的な要因は含まれていないものの、過剰に摂取することで、尿のpH値が変化し、結石が形成されやすい環境を生み出す可能性があります。そのため、キャベツを与える際には適量を守ることが肝心です。
特に、以前に尿路結石を経験した子はリスクが高まるため、キャベツは控えるもしくはかかりつけの獣医師に相談し、健康維持に努めましょう。
犬にキャベツを与えすぎるとどうなる?
キャベツは犬の健康に良いとされる野菜の一つですが、与えすぎると犬の体に負担をかける可能性があります。
大量に摂取した場合、キャベツ特有のガスを発生させ、お腹が膨れる原因になることも。何事もバランスが大切!与えすぎには注意し、適量を心がけましょう。
もし、キャベツを食べたあと、愛犬にいつもと違う様子が見られた場合は、直ちに与えるのをやめて、獣医師へ相談しましょう。
犬にキャベツを与えるときは茹でた方がいいですか?
キャベツを愛犬に与える際は茹でた方が柔らかくなり、食べやすさも消化のしやすさも格段にアップします。
生のキャベツは消化しにくく、犬の消化管に負担をかける可能性があるため、加熱処理をするのがおすすめです。茹でる以外にも、「蒸す」「レンジを使う」などでもOKです。
まとめ:適量を守り、愛犬の健康維持にキャベツを役立てましょう!
キャベツは犬の健康維持に役立つ食材ですが、重要なのはその適量を守ることです。
愛犬の体重や健康状態、アレルギーの有無に留意するとともに、適切な量や正しい与え方を守り、愛犬の健康維持にキャベツを上手に取り入れましょう!