黄色の鮮やかな色合いのとうもろこしは、甘くてみずみずしく、人間にとっても魅力的な食材です。そんなとうもろこしは、愛犬にも与えてよいものなのでしょうか?

本記事では、とうもろこしの栄養や犬にとっての健康効果、与える際の注意点、おすすめのとうもろこしおやつなどをご紹介していきます。愛犬と一緒にとうもろこしを楽しむためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

【結論】犬はとうもろこしを食べていい!

犬はとうもろこしを食べて大丈夫です。栄養価が高く、食物繊維が豊富であるため、適度な量を与えることで愛犬の健康維持に役立ちます。

ただし、量や与え方には注意が必要です。

※大前提として、本記事はすべてのわんちゃんにとうもろこしを推奨するものではありません。また、主食の代わりとするのはNGです。この前提をもとに読み進めてくださいね。

犬にとうもろこしを与える前に知っておきたい基本知識

とうもろこしは、犬の「食」に取り入れることができる安全な食材ではありますが、与える前に犬ととうもろこしに関する基本知識を押さえておきましょう。

  • とうもろこしの栄養成分と犬における健康効果(メリット)
  • 犬がとうもろこしを食べることによるリスクや注意点

上記2つを軸に解説していきます。

とうもろこしの栄養成分と犬における健康効果(メリット)

とうもろこしは犬にとって安全で栄養豊富な食材であり、炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維など、犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。

《主な栄養成分と犬への健康効果》

栄養成分 働き
炭水化物 エネルギー源となり、活動に必要なエネルギーを供給
ビタミンB群 糖質の代謝を促進したり、皮膚や被毛の健康維持を助けたりする
ビタミンE 抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ
カリウム 体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を調整する
食物繊維 便秘解消や腸内環境を整える効果

また、これらの栄養素が犬の健康に以下のような効果をもたらすと考えられています。

  • エネルギー補給: 活発な犬や、運動量が多い犬にとって、とうもろこしはエネルギー補給に役立ちます。
  • 皮膚や被毛の健康: ビタミンB群やビタミンEが皮膚や被毛の健康を維持し、つややかさを保ちます。
  • 消化機能の改善: 食物繊維が腸内環境を整え、便秘解消や下痢の予防に効果があります。
  • 免疫力向上: ビタミンCやビタミンEが免疫力を高め、病気にかかりにくくする効果があります。

犬がとうもろこしを食べることによるリスクや注意点

犬がとうもろこしを食べる際にはいくつかのリスクと注意点があります。まず、とうもろこしの芯は非常に硬くて消化されにくいため、誤って飲み込むと消化管を損傷したり、腸閉塞を引き起こしたりする可能性があります。

また、与える量に注意しなければ、過剰なカロリー摂取につながり、太り気味の犬にとっては肥満のリスクが高まります。

さらに、一部の犬はとうもろこしに対してアレルギー反応を示すことがあるため、はじめて与える際は数粒から始めて、体調の変化をよく観察しましょう。

健康を考えた安全な犬用とうもろこしの選び方・注意点

犬 とうもろこし_1a

ここでは、愛犬にとって安全なとうもろこしの選び方と、とうもろこしを与える際の注意点についてご紹介していきます。

とうもろこしの選び方と安全基準は?

犬に安全なとうもろこし選びでは、無添加で保存料不使用のものを選ぶのがおすすめです。遺伝子組み換えでない、オーガニックのとうもろこしを選ぶと、余計な化学物質の摂取を避けられます。

また、硬い粒は消化に良くないため、柔らかく甘みがあるような状態が理想的です。

とうもろこしの「芯」は絶対に取り除く

犬にとうもろこしを与える際には、必ず芯を取り除きましょう。芯は非常に硬く、犬が咀嚼しても消化することが難しいため、消化器官を傷つけるリスクがあります。

また、とうもろこしの芯を丸ごと飲み込んでしまうと、腸閉塞を引き起こす可能性があるため、重篤な状態に至る危険性もあるのです。そのため、芯は確実に取り除いた上で、小さく安全なサイズに切ったとうもろこしの実のみを与えるようにしてください。

とうもろこしの「加工食品」はNG

とうもろこしの加工食品を与えるのは避けるべきです。というのも、加工食品には塩分や砂糖、香料、保存料など愛犬にとって不必要で健康を害する可能性のある添加物が含まれている可能性が高いからです。

例えば、とうもろこしのスナックやコーンフレーク、ポップコーンには高カロリーな油や塩分が加えられていることが多く、犬の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。

愛犬へのとうもろこしの正しい与え方

ここからは、愛犬にとうもろこしを与える際に守りたい摂取量や与え方(処理方法)についてお話していきます。

【体格別】犬に与えるとうもろこしの適切な量

安全で健康的な食生活には、適切な量を守ることが大切です。とうもろこしはあくまで「おやつ」として考え、多くても1日の必要カロリーの10%までを目安とするのが一般的です。

また、個々の犬の健康状態や活動レベルによっても変わってきます。その点を頭に入れたうえで、一般的な目安となる摂取量を見ていきましょう。

※ここでご紹介する量は、あくまで一般論です。持病がある、健康に不安があるなどの場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえ、飼い主さまの責任のもと与えてください。

体格 目安摂取量
超小型犬(体重4kg未満) 約30g
小型犬(体重5~10kg未満) 約60g
中型犬(体重10~25kg未満) 約120g
大型犬(体重25kg以上) 約200g

※犬の健康状態や活動レベルによっても異なります。

とうもろこしは食物繊維が豊富で健康に良い反面、過剰に与えると消化不良を引き起こす可能性があるため、与える頻度と量には特に注意を払いましょう。

犬にとうもろこしを与える最適なタイミング

犬の消化器官がすでに働いている状態で追加の食事を与えると、消化不良を招く可能性があるため、犬が食事を摂った後や運動をした直後に与えるべきではありません。

理想的なのは、例えばトレーニングのご褒美や間食として少量を与えることです。

犬が好むとうもろこしの処理方法

犬 とうもろこし_2

犬がとうもろこしを安全に味わえるよう、適切な処理を行いましょう。「生」の状態のとうもろこしは消化が難しいため、調理する際は茹でるか蒸すことをおすすめします。こうすることで、食物繊維がやわらかくなり、消化しやすくなるでしょう。

また、とうもろこしの芯は硬く、飲み込むと窒息や腸閉塞のリスクや消化器官へ傷をつけることがあるため、必ず芯は取り除いてからあげましょう。

さらに、小型犬や子犬、高齢犬の場合は、とうもろこしを小さな粒状もしくはペースト状にして与えることが推奨されます。そうすることでより一層食べやすくなり、噛み砕く力の弱い犬でも安心して食べられるでしょう。

また、とうもろこしの芯は消化不良を引き起こす恐れがあるため絶対に与えないでください。

犬用とうもろこしレシピのアイデアやおすすめおやつ

ここからは、安全でおいしいとうもろこしのおやつのアイデアや、おすすめの市販のとうもろこしおやつをご紹介していきます!

犬用とうもろこしを使ったおやつのアイデア

とうもろこしを使ったおやつとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • とうもろこしとかぼちゃのスープ
  • とうもろこしと野菜のスープ
  • とうもろこしとヨーグルトのデザート

市販のとうもろこしのおすすめおやつ① | 素材100% 野菜フレーク とうもろこし

犬 とうもろこし_おやつ1

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安心安全な北海道産100%のとうもろこしを使用!とうもろこしの自然な甘みと旨み、栄養をそのままフレークにした一品です。とうもろこしは素早くエネルギーになる糖質のほか、葉酸や食物繊維も豊富なので、シニア期や偏食気味の子にもおすすめ。

いつものごはんにふりかけたり、食べやすいペースト状にして与えたり、手作りごはんやおやつの材料としてなど、万能な使い方ができますよ。

市販のとうもろこしのおすすめおやつ② | ポップコーン プレーン味

犬 とうもろこし_おやつ2

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愛犬と飼い主さまが一緒に楽しめるあっさりとした風味の犬用ポップコーン!国産のとうもろこし(遺伝子組み換えではない)とココナッツミルクだけで作られた安心のおやつです。

食物繊維が多く、整腸作用があるのもポイント!意外と大きめのサイズなので、細かく砕いたり、ふやかしたりしてあげるなど、愛犬が食べやすいように工夫してみましょう。

市販のとうもろこしのおすすめおやつ③ | いぬぴゅーれ とうもろこし

犬 とうもろこし_おやつ3

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増粘剤・着色料・甘味料・調味料不使用、とうもろこしのみを使用したいぬぴゅーれ。ペロペロと舐めさせてもよし、普段のごはんの上にかけてもよし。

そのほか、水分補給や投薬補助、ダイエットなどに取り入れている飼い主さまも多いようです。ペースト状なのでシニア期の子にもおすすめです。

犬にとうもろこしを食べさせない方がいい場合

とうもろこしは基本的に犬にとって安全な食材ですが、以下に該当する場合は摂取を控える、もしくは獣医師に相談のうえ判断しましょう。

アレルギー持ち

アレルギーは犬にとっても人間と同じように困った問題で、特定の食材に反応して皮膚炎や消化不良、かゆみといった症状を引き起こすことがあります。

とうもろこしに反応を示す犬もいるため、はじめてあげる場合は注意が必要ですが、他の食物アレルギーをお持ちの場合はとうもろこしにも反応する可能性もあるため、むやみに与えるのはやめましょう。まずは獣医師に相談してください。

腎臓病を患っている

腎臓病を患っている子も、とうもろこしを控えた方がいいとされています。それは、腎臓の機能が低下しており、余分なタンパク質やナトリウムの処理が困難になっているからです。

とうもろこしはタンパク質が多く含まれているため、腎不全の犬にとって適切ではないと言えます。また、とうもろこしに含まれるリンも腎臓に負担をかける原因になり得ます。

尿路結石を患っている

とうもろこしは一般的には犬にとって無害ですが、尿路結石を患っている場合は注意が必要です。

というのも、とうもろこしに含まれるマグネシウム、カルシウム、リンといったミネラルが結石の形成を促す可能性があるからです。尿路結石を抱えている犬にとって、これらのミネラルは結石を悪化させることがあります。

したがって、尿路結石に対する治療や管理の一環として、獣医師は特定の食事療法を推奨することがあります。その際、とうもろこしを含むフードやおやつは避けるようにすることが求められることが多いです。

愛犬の健康を守るため、食事内容には常に注意を払い、獣医師の指導に従いましょう。

消化機能が落ちている場合

子犬やシニア期など、犬の消化機能が未熟な(低下している)場合、とうもろこしの繊維が適切に分解されず、消化不良を引き起こすリスクが高まります。

老齢の犬や消化器疾患がある犬は特にその傾向があり、下痢や腸閉塞などの重篤な健康問題につながることもあり得ます。

こうしたリスクを回避するためにも、消化機能に影響を与える可能性がある食材は避け、動物病院と相談の上、消化に優しい食事を与えることが大切です。

アレルギー反応?犬がとうもろこしを食べた後の注意すべき症状やサイン

犬 とうもろこし_3

前述した通り、犬がとうもろこしを食べた後にアレルギー反応を示す場合があります。注意すべきサインとしては、以下のような症状が挙げられます。

  • 皮膚の発疹
  • 体のかゆみ
  • 嘔吐
  • 下痢(消化不良)
  • 耳の炎症
  • 異常な行動(いつもとは違う行動を繰り返すなど)

万が一、愛犬がとうもろこしを食べた後にこうした症状が現れた場合は、そのサインを見逃さず、速やかにかかりつけの動物病院に連絡し、指示を仰ぐor受診しましょう。

「犬」と「とうもろこし」に関するよくある質問

最後に、犬ととうもろこしに関するよくある質問にお答えします。

子犬や老犬にとうもろこし(コーン)を食べさせても大丈夫?

健康であることが大前提ですが、とうもろこしには犬にとって有害な成分は含まれていないため、子犬や老犬にもとうもろこしを食べさせて大丈夫です。

しかしながら、子犬や老犬は消化機能が未発達であったり、衰えていたりするため、とうもろこしの粒は消化不良を引き起こすことがあります。

したがって、とうもろこしを与える場合は、茹でるor蒸すなどで柔らかく調理し、ミキサーでペースト状にしてから与えるのがおすすめです。

犬がとうもろこしを吐いたらどうしたらいい?

犬がとうもろこしを吐くことは、消化不良の兆候である可能性があります。まずは与えるのをやめ、どの程度の量を摂取し、どれだけ頻繁に吐いているかを確認しましょう。

吐き気が一時的なものか、他の症状(下痢、元気のなさ、食欲不振等)を伴っていないかも重要なポイントです。これらの症状が見られる場合や、吐く行為が続いている場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

犬は缶詰のコーンや市販のコーンスープを食べられる?

缶詰のコーンやコーンスープは犬に与えるのは控えましょう。缶詰のコーンは、塩分や添加物が含まれていることが多く、犬の健康に影響を与える可能性があります。

また、市販のコーンスープに関しては、犬にとって有害なニンニクや玉ねぎ、塩分や調味料が多く含まれているケースがほとんどです。これらの成分は犬の体に負担をかけることがあるため、避けるのが愛犬の健康維持に重要な判断です。

まとめ:犬にとうもろこしをあげる場合は適量を心掛けましょう!

とうもろこしは食物繊維が豊富で健康に良い一面もありますが、過剰摂取は消化不良や肥満の原因になることも…。与える際は、“適量”のとうもろこしをおやつやご褒美として取り入れるのがおすすめです

愛犬の健康を第一に考えた飼い主さまの適切な管理によって、愛犬に「食」の楽しさ、とうもろこしのおいしさを感じてもらいましょう!