実はきゅうりは、犬にとって嬉しい健康効果をもたらしてくれる野菜です。きゅうりは水分が豊富で低カロリーなので、夏場の水分補給にも最適!しかし、与え方によっては下痢などの原因にもなりかねません。
そこで本記事では、夏の暑さ対策にもなるきゅうりの健康効果や愛犬に与える際のポイント、きゅうりのレシピなどをご紹介していきます。愛犬の健康をサポートするためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
【結論】犬はきゅうりを食べていい!
きゅうりは犬も安全に食べることができる野菜の一種です。きゅうりは低カロリーで水分を多く含み、犬の健康的な食品として適しています。ただし、与え方や与える量については注意が必要です。
※大前提として、本記事はすべてのわんちゃんにきゅうりの摂取を推奨するものではありません。
きゅうりを与えること自体は問題ありませんが、犬にとって必要な栄養素は主に肉類から得られるため、主食の代わりするのはNGです。
きゅうりはあくまでおやつとして、常に愛犬の健康を第一に考え、バランスの取れた食事を心がけましょう。この前提をもとに本記事を読み進めてくださいね。
犬にきゅうりを与える前に知っておきたい基本知識
犬にきゅうりを与える前に、まずは犬ときゅうりに関する基本的な知識をおさえておきましょう。
- きゅうりの栄養成分と犬における健康効果(メリット)
- 犬がきゅうりを食べることによるリスクや注意点
上記2つのポイントについて、それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。
きゅうりの栄養成分と犬における健康効果(メリット)
きゅうりは低カロリーで消化が良く、犬にとっても嬉しい食材です。主な栄養成分には、ビタミンK、ビタミンC、そしてポタシウムがあります。
これらの栄養素は、それぞれ、犬の骨の健康を支えたり、免疫力を高めたり、筋肉の機能維持にも役立つなどさまざまな健康効果があるのです。
また、きゅうりは水分が豊富なため、特に暑い時期には愛犬の水分補給としても役立ちます。脱水を防ぎ、体温調節を助ける重要な役割を果たすうえ、食物繊維も豊富なので消化を助け、便秘の予防にも最適です。
犬がきゅうりを食べることによるリスクや注意点
犬にきゅうりを与える際、リスクがあることも頭に入れておきましょう。
例えば、きゅうりの皮には農薬が残留している可能性があるため、与える場合はよく洗浄するか、皮をむいてから与えるようにしましょう。
また、過剰摂取は下痢や嘔吐の原因ともなるため、与える量に関しても注意が必要です。
愛犬の健康を考えた安全なきゅうりの選び方
ここからは、愛犬の健康を考慮した安全なきゅうりの選び方に着目して解説していきます。
きゅうりの選び方と安全基準は?
新鮮で安全なきゅうりを選ぶ際には、表面の傷や黒ずみがないかチェックし、硬さが均等であることを確認してください。
未成熟なきゅうりや種が多い部分は消化を妨げることがあるため、避けることが望ましいと言えます。また、可能であれば無農薬や減農薬のものを選ぶのがおすすすめです。
きゅうりの「皮」は犬も食べてOK?
きゅうりの「皮」は、犬が食べても基本的には問題ないとされています。
しかし、農薬の残留が心配されるため、「皮を取り除く」、もしくは「水でよく洗ってから与える」ことを徹底しましょう。
きゅうりの「加工食品」はNG
きゅうりは犬の健康維持に効果的な食材ではありますが、きゅうりを使った加工食品は愛犬に与えるべきではありません。
たとえば、ピクルスやきゅうりの漬物、キムチなどが挙げられますが、こうした加工食品には塩分や調味料、保存料など、犬の健康に悪影響を与える可能性のある成分が多く含まれています。
塩分過多は犬の腎機能に負担をかけ、調味料に含まれる成分が犬にとって有害である可能性もあります。たとえ愛犬が喜ぶからと善意であってもこれらの加工品を与えることは絶対に避けましょう。
愛犬へのきゅうりの正しい与え方
愛犬へのきゅうりの与え方や適切な量を解説していきます。
【体格別】犬に与えるきゅうりの適切な量
安全で健康的な食生活には、適切な量を守ることが大切です。きゅうりはあくまで「おやつ」として考え、1日の必要カロリーの10%までを目安とするのが一般的です。
また、個々の犬の健康状態や活動レベルによっても変わってきます。その点を頭に入れたうえで、一般的な目安となる摂取量を見ていきましょう。
※ここでご紹介する量は、あくまで一般論です。持病がある、健康に不安があるなどの場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえ、飼い主さんの責任のもと与えてください。
体格 | 目安摂取量 |
超小型犬(体重4kg未満) | 約20g前後(1/5~1/4本) |
小型犬(体重5~10kg未満) | 約50g前後(1/3~1/2本) |
中型犬(体重10~25kg未満) | 約100g前後(1本) |
大型犬(体重25kg以上) | 約120g前後(1本~1本+1/4) |
※1本あたり約100gのきゅうりを想定しています。
※犬の健康状態や活動レベルによっても異なります。
犬にきゅうりを与える最適なタイミング
きゅうりを犬に与える最適なタイミングとしては、暑い日の水分補給の一環で与えるケースや、トレーニングのご褒美として与えるのが適しています。
水分が多いため、きゅうりは暑い日に熱中症予防として役立ちますが、他の食事と組み合わせてバランス良く栄養素を摂取することが重要です。
また、食後直後に大量に与えると胃腸の不調を引き起こす可能性があるため、食後の与え方には注意が必要なこともあります。
犬が好むきゅうりのカットの仕方
きゅうりを丸ごとあげたり、大きな塊で与えたりしてしまうと犬によっては飲み込む際に窒息のリスクが伴います。
こうしたリスクを避けるためにも、スライサーや包丁を使って小さくスライスするまたは細かく刻む、四角いキューブ状のような一口サイズに細かく切るなどのひと工夫が大事です。
特に小型犬や子犬の場合は噛みやすく、消化しやすい方法で与えることが望ましいでしょう。そして一度にたくさん与えるのではなく、少量を数回に分けて食べさせることも推奨されます。
犬用きゅうりレシピのアイデア
ここでは犬用のきゅうりレシピのアイデアをご紹介します!
きゅうりを使って以下のようなおやつを作ったり、普段の食事のトッピングとして与えてあげたりするのもおすすめです。愛犬の喜ぶ姿を想像しながらぜひ作ってみてください。
・きゅうりと鶏肉のサラダ
薄くスライスまたは細かくカットしたきゅうりと、茹でるまたは蒸した鶏肉を混ぜ合わせて普段の食事にトッピング
・きゅうりキューブ(きゅうりスライス)
小さい四角のキューブ状、または薄くスライスして与えてあげましょう。
・きゅうりとりんごのヨーグルト和え
きゅうりもりんご(果肉のみ)もキューブ状にカットし、無糖のヨーグルトと混ぜて冷やしてあげるとGood!
犬にきゅうりを食べさせない方がいい場合
きゅうりは一般的に犬の健康に役立つ万能食材ですが、中にはきゅうりを与えない方がいい子もいます。具体的には次の通りです。
- アレルギー体質の場合
- 腎臓病など持病がある場合
1つずつ見ていきましょう。
アレルギー体質の場合
きゅうりに毒性はなく通常であれば犬も安心して食べることができますが、稀に、きゅうりを食べることでアレルギー反応を示すこともあります。そのため、きゅうりを初めてあげるときには、少しずつ様子をみながら与えましょう。
とはいえ、きゅうり以外に、過去に他の何らかのアレルギーを持っているなら、むやみに与えず獣医師に相談するべきです。
腎臓病など持病がある場合
腎臓病のような持病を抱える犬には、きゅうりを含めた一部の食材が推奨されない場合もあります。
腎臓の機能は体内の排毒と電解質のバランスを整える重要な役割を担っており、その機能が低下している場合、きゅうりのような高水分でミネラルを含む食材は腎臓に過剰な負担をかける可能性があるのです。
また、きゅうりに含まれるカリウムは腎機能が低下している犬にとっては血中濃度の上昇を招き、これが心臓病など他の健康問題を引き起こす原因になる恐れもあります。
したがって、腎臓病やその他持病がある子の場合は、きゅうりを含む食事の内容を獣医師の指導のもと注意深く選びましょう。
アレルギー反応?犬がきゅうりを食べた後の注意すべき症状やサイン
犬がきゅうりを食べたあと、注意すべきサインとしては、以下のような症状が挙げられます。
- 皮膚の発疹
- 体のかゆみ
- 嘔吐
- 下痢
- 異常な行動(いつもとは違う行動を繰り返すなど)
これらの症状は食べ物に対するアレルギーだけでなく、消化不良が原因のものもあるかもしれませんが、万が一、愛犬がきゅうりを食べた後にこうした症状が現れた場合は、そのサインを見逃さず、速やかにかかりつけの動物病院に連絡し、指示を仰ぐor受診しましょう。
その際の情報提供として、
- きゅうりをいつどれだけ食べたか
- どのような症状が見られるか
といった情報を正確に伝えられると診断に役立ちます。可能であれば症状が出ているときの動画を撮影しておくとベストです。愛犬の健康を守るためにも、新しい食べ物を与える際は少量から始め、その後の様子をよく観察することが重要です。
「犬」と「きゅうり」に関するよくある質問
最後に、犬ときゅうりに関するよくある質問にお答えします。
犬はきゅうりが原因で尿結石になる?
犬の尿結石は、食事の内容によって発症のリスクが高まることがあります。犬がきゅうりを食べることが直接的に尿結石を引き起こすという根拠はありませんが、食物のカルシウムやほか成分の含有量が尿中の結晶形成に影響を及ぼすことは知られています。
きゅうり自体は低カロリーで水分が豊富なため、適量であれば尿結石の予防に役立つ可能性もあります。しかし、犬の食事はバランスが重要ですから、きゅうりを含む野菜の摂取量や頻度を管理することが肝心です。
また、尿結石の傾向がある犬種や既往歴がある場合は、獣医師の指導のもとで尿結石のリスクを低減させる特別な食事管理を行うことが推奨されます。
子犬にきゅうりをいつから与えても大丈夫?老犬は?
きゅうりは犬にとって良質な水分と栄養を与える低カロリーのおやつです。子犬にきゅうりを与える場合、固形食に完全に移行した後、体重や健康状態を考慮して少量から始めるのが安心です。
一般的には生後3〜4ヶ月頃から安全に与えることができますが、与える際には、窒息の恐れがないよう適切な大きさにカットしてあげましょう。
一方、老犬にきゅうりを与える際は、噛む力や消化能力が低下していることを考慮し、さらに小さく柔らかくして与える、もしくはペースト状にする必要があります。
犬がきゅうりを食べて嘔吐や下痢をしたらどうすればいい?
犬がきゅうりを食べた後に嘔吐や下痢をする場合、まずは冷静に対応することが重要です。
きゅうり自体は犬にとって有害な食材ではありませんが、食べ過ぎや個体差によって消化不良を引き起こすことがあります。常に愛犬の様子に注意を払い、異変を感じたらできる限り早く獣医師に相談しましょう。
まとめ:犬にきゅうりはOK!適切な量を心がけましょう
愛犬の健康維持には適切な食事が必要ですが、おやつとしてきゅうりを与えることもいい選択のひとつです。きゅうりは低カロリーで水分も豊富なため、暑い日の水分補給やダイエット中のご褒美にも最適!
愛犬の体格や健康状態に合わせて適量を心がけ、愛犬の健康を第一に考えた食事管理を行いましょう。