大きな体に比例して癒し効果も抜群の大型犬。温厚な性格の犬種や賢い犬種が多く、日本のみならず世界中の愛犬家から人気があります。

そんな大型犬を迎え入れたいと考えている人も多いはず。しかし、大型犬と一言で言ってもさまざまな犬種が存在し、それぞれ見た目はもちろん、性格や体格、飼いやすさも異なります。

そこで本記事では、人気の大型犬の種類や犬種ごとの特徴・性格・飼いやすさ、大型犬全般の特徴や飼う前の心構えなど、お迎えする前に知っておきたい大型犬のいろはをご紹介していきます。きっと大型犬のさらなる魅力に気付けるはずです!ぜひ最後までご覧ください。

– 人気の大型犬11種 –

  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドールレトリバー
  • シベリアンハスキー
  • サモエド
  • 秋田犬
  • スタンダードプードル
  • ドーベルマン
  • チャウチャウ
  • グレート・ピレニーズ
  • バーニーズ・マウンテン・ドッグ
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ 

【飼いやすさレベル付き!】人気の大型犬11種類!

早速、数ある犬種の中から、人気の大型犬11種類をご紹介していきます!

※飼いやすさ表記 : ★…上級、★★…中級、★★★…飼いやすい(初心者向け)

ゴールデンレトリバー(飼いやすさ★★★)

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは、大型犬種でありながらその温厚でフレンドリーな性格から、多くの人たちに愛されている犬種です。また、学習能力が高く、訓練を楽しむ傾向にあるため、初心者でも比較的飼いやすく、しつけがしやすいとされています。

ただし、運動量が多いため、日々の散歩や遊びでのエネルギー発散が不可欠。また、抜け毛は多いもののトリミングの必要はありません。

愛情深く、様々な家庭環境に適応しやすいため、子どもがいるご家庭や初めてのペットとしてもおすすめの犬種です。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約29~34kg / メス:約25~27kg
体高 オス:約56~61cm / メス:約51 ~56cm
平均寿命 10~12歳

 ラブラドールレトリバー(飼いやすさ★★★)

ラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーは友好的でおおらかな性格が特徴の犬種です。知能や順応性が高く、しつけもしやすいため、盲導犬や介助犬、警察犬など幅広く活躍しています。

人懐っこいためご家庭での飼いやすさはもちろん、他の人への友好的な面もファンを多く持つ理由のひとつと言えるでしょう。子どもや他のペットとも上手に接することができます。

初心者の飼い主さまにもおすすめですが、多くの運動を必要とするため、日々の活動を充実させることが大切です。適切なトレーニングと健康管理を行うことで、ラブラドールレトリバーは最高の家族の一員となることでしょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約29~36kg / メス:約25~32kg
体高 オス:約57~62cm / メス:約55 ~60cm
平均寿命 10~12歳

シベリアンハスキー(飼いやすさ★)

シベリアンハスキー

シベリアンハスキーは、オオカミを連想させるようなキリっとした顔立ちで一見怖そうにも見えますが、家族に対しては愛情深く従順で、社交性も高い犬種です。

もともと集団生活を行っていたことから、しつけをしながら時間をかけて関係を築いていけば間違いなく信頼できるパートナーとなるはずですよ!

一方、独立心も強く、頑固な面もあるため、しつけの難易度も上がります。また、換毛期には大量の抜け毛が発生します。こうした抜け毛の管理、冷涼な気候を好むことから夏場の温度管理、また高い運動量を考慮する必要があるでしょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約20~27kg / メス:約16~23kg
体高 オス:約53~60cm / メス:約51~56cm
平均寿命 12~15歳

 サモエド(飼いやすさ★★)

サモエド

サモエドはもふもふなホワイト系の被毛が特徴的で、性格も社交的で穏やかな犬種です。口角がきゅっとあがった愛らしい表情は「サモエドスマイル」とも呼ばれ、癒し効果も抜群!

また、非常に温厚でとても遊び好き。飼い主さまには従順で、子どもとも上手に仲良く生活できるでしょう。

ただし、寒冷地原産で、ダブルコートの被毛は温かくボリュームたっぷりで寒さには強い一方、暑さには弱いので、夏の室温管理には注意が必要とります。また、抜け毛も非常に多いため日頃のブラッシングや定期的なシャンプーも欠かせません。

こうした飼育に関する注意点や、豊富な運動量、神経質な一面もあることから、飼いやすさは中級レベルと言えるでしょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約20~30kg / メス:約16~20kg
体高 オス:約53~60cm / メス:約 48~53cm
平均寿命 12~14歳

 秋田犬(飼いやすさ★)

秋田犬

秋田犬は、日本を代表する犬種の一つであり、日本犬で唯一の大型犬です。秋田犬の性格は、忠実で勇敢、我慢強いと評されますが、一方で独立心が強く頑固な面もあります。

愛情深く飼い主さまとの絆を大切にする分、家族を守るためには強い警戒心を示すこともあるため、社会化トレーニングは幼少期から丁寧に行うことが重要です。

また、適切なトレーニングと運動が必要なため、犬の扱いに慣れている人や経験豊富な飼い主さまにおすすめと言えるでしょう。また、被毛の手入れにも時間と手間がかかるのも頭に入れておきましょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約30~34kg / メス:約25~30kg
体高 オス:約64~70cm / メス:約58~64cm
平均寿命 10〜12歳

 スタンダードプードル(飼いやすさ★★★)

スタンダードプードル

スタンダードプードルは、非常に知能が高く、訓練しやすい性格を持っているため、初心者の飼い主でも比較的飼いやすい犬種と言えるでしょう。

トイプードルの原型の犬種あり、人懐っこく陽気、そして社交的で愛情深く、従順な性格からとても飼いやすい犬種として人気です。子どもや他のペットとも良好な関係を築ける傾向にあります。抜け毛や体臭が少ないためアレルギーをお持ちの方でも飼いやすいでしょう。

ただし、運動量が多い犬種なので、毎日の散歩や遊びでエネルギーを発散させることが大切。また、カールした毛は日々のお手入れや定期的なトリミングが必要なため、他犬種に比べて飼育にかかる費用は高くなりがちです。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 約16~26kg
体高 45~60cm ※プラス2cmまで許容範囲
平均寿命 12~15歳

ドーベルマン(飼いやすさ★)

ドーベルマン

ドーベルマンは高い運動能力を持つ犬種で、性格は忠実さと勇敢さが特徴です。筋肉質でたくましく、クールな見た目から「怖い」「強そう」といったイメージを持たれやすいですが、家族に対しては穏やかで従順。

その反面、警戒心や縄張り意識が強いため、見知らぬ人には慎重な態度をとる傾向があります。また、幼少期からの一貫したトレーニングと運動量を必要とするため、経験豊かな飼い主さまに適していると言えます。

警察犬としても活躍していますが、適切なしつけができれば家庭犬としても優れたパートナーとなるでしょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約40~45kg / メス:約32~35kg
体高 オス:約68~72cm / メス:約63~68cm
平均寿命 10~13年歳

チャウチャウ(飼いやすさ★★)

チャウチャウ

チャウチャウはその特徴的なふわふわの被毛と、困ったようなしわしわの“ぶさかわ”なお顔が愛されている犬種です。また、青黒い舌を持つ珍しい犬種としても知られています。

飼い主さまに対する忠誠心が厚い一方で、独立心が強く、プライドが高いとされることから、しっかりとした社会化とトレーニングが必要になります。

また、被毛は長毛で立体感のあるラフコートと、短毛で滑らかなスムースコートの2種類で、いずれの場合も毛玉ができやすいためこまめなお手入れが必要です。さらに、暑さ対策や肥満対策も必要となり、初心者には少しハードルが高いかもしれません。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約25~32kg / メス:約20~27kg
体高 オス:約48~56cm / メス:約46~51cm
平均寿命 9~15歳

グレート・ピレニーズ(飼いやすさ★)

グレート・ピレニーズ

グレート・ピレニーズは、愛情深く、忍耐強い性格が特徴の大型犬です。家族に対しての忠誠心が強く守護本能があるため、現在は家庭犬として愛されています。

その一方で、独立心が旺盛で頑固な面もあり、しつけは根気が必要です。また、運動量が多いことから散歩やトレーニングなどの時間の確保、抜け毛が多いので定期的なブラッシング、寒冷地原産であることから夏場の温度・湿度管理など、配慮すべきポイントが多くあります。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約45~73kg / メス:約39~52kg
体高 オス:約70~80cm / メス:約65~75cm
平均寿命 10~12歳

バーニーズ・マウンテン・ドッグ(飼いやすさ★★★)

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、非常に温和で親しみやすい性格で、家族に対する忠誠心が強いことが特徴です。また、その穏やかさから子どもや他のペットとも上手に付き合うことができ、比較的飼いやすい犬種と言えるでしょう。

大型犬特有の運動量が求められるため、適切な運動量・時間の確保、そしてその分の栄養が必要です。ご飯にかかる費用も高くなりがちなので、経済面である程度余裕があるご家庭向けと言えるでしょう。

また、厚い被毛はブラッシングと定期的なシャンプーが不可欠。健康面では、大型犬でありがちな股関節形成不全や胃捻転などのリスクに注意が必要です。加えて、他の大型犬種に比べて平均寿命が短いことも覚えておきましょう。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約38〜50kg / メス:約36〜48kg
体高 オス:約64~70cm / メス:約58~66cm
平均寿命 6~8歳

 ジャーマン・シェパード・ドッグ(飼いやすさ★★)

ジャーマン・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグは、忠実で用心深く、非常に知能が高いことで知られています。家族に対する愛情深さと、高い警戒心を持ち合わせているため、優れた警察犬や救助犬として活躍する例も多く見られる犬種です。

飼いやすさについては、しっかりとした社会化とトレーニングが必要になりますが、適切な教育を受けさせれば、家庭犬としても非常に優秀。活発で運動を好むため、定期的な運動が不可欠となります。また、その知能の高さから、多様な訓練や遊びが求められ、刺激的な環境を与えてあげることが大切です。

体重が22~40kg、体高が55~65cmの範囲で、しっかりとした体格をしています。平均寿命は約9~13年で、頑丈な体質を持ち合わせていますが、大型犬特有の健康問題には注意が必要です。

▼基礎情報(体重・体高・平均寿命)

体重 オス:約30〜40kg / メス:約22〜32kg
体高 オス:約60〜65cm / メス:約55〜60cm
平均寿命 9〜13歳

大型犬ならではの特徴を知ろう

大型犬は盲導犬や警察犬として活躍していますが、最近ではご家庭のペットとしてお迎えする方が増えてきました。

ここまでは犬種ごとに特徴や性格などをご紹介してきましたが、ここでは大型犬全般に見られる特徴についてご紹介していきます。

賢く、温厚な犬種が多い

わんちゃんは大きさに限らず賢い動物ですが、その中でも大型犬は賢く、知能の高い犬種が多い傾向にあります。また、そのサイズ感とは裏腹に、性格は穏やかで温厚な性質を持つ犬種も多く、家庭でのペットとして非常に人気が高いです。

賢い犬種は、しつけの際にも理解が早く定着しやすいうえ、温厚な犬種は、家庭内での他のペットや子どもたちとも仲良く過ごすことができるでしょう。

大型犬は食事量が多い

大型犬種類_1

大型犬は、小型犬に比べて食事量が多くなります。これは、大型犬の方が体格が大きく、必要なエネルギー量が多いためです。具体的な食事量は、体重や運動量、年齢などによっても異なります。

また、大型犬は胃が大きいため、一度に大量の食事を与えると胃拡張捻転症候群などのリスクが高くなりがちなので、1日2~3回に分けて食事を与えることが大切です。

小型犬に比べて体力がある

大型犬は、その体の大きさからも想像できるように、一般的に小型犬よりも非常に体力があります。大型犬の骨格や筋肉の構造は、長時間の運動や活動を支えるようにできており、適度な運動が健康を維持するためには非常に重要です。

しかし、すべての大型犬が高いエネルギーレベルを持っているわけではありません。飼い主さまは犬種の特性を理解し、適切な量の活動と休息を考慮してあげましょう。

平均寿命が小型犬よりも短い

犬の平均寿命に関しては、一般的に小型犬が大型犬よりも長生きする傾向にあります。正確な理由は分かっていませんが、身体が大きい分、それに比例して負担やストレスが大きくなり、加齢による疾患が発生しやすいと考えられています。

とはいえ、個体差や環境の差も大きいため、飼い方によっては犬種ごとの平均寿命を上回って長生きしてくれる可能性も十分あります。

人間同様、適度な運動・健康的な食事、定期的な獣医師による検診を受けて、1日でも長く元気にいてもらいましょう。

大型犬を飼う前に押さえておきたいポイントや心構え

最後に、大型犬を飼う前に押さえておくべき重要なポイントや心構えをご紹介します。適切な知識と心構えを持って、飼育が可能かどうかじっくり検討してみましょう。

広いケージや飼育スペースが必要

大型犬はその大きさから外飼いをイメージする方もいるかもしれませんが、愛犬のことを想うならご家族と一緒に過ごせる「室内飼育」が理想です。しかし、室内ではどうしてもスペースが限られてしまい、わんちゃんがストレスを感じたり、運動不足に陥ったりする可能性があります。

そのため、将来どれくらいの大きさになるのかをイメージして、余裕のあるスペースを確保できるか考えてみましょう。

また、トイレのスペースは体の1.5倍ほど、ケージは「立っても頭がぶつからない」、「ケージの中で回転できるくらい」、「横になっても余裕があるサイズ」が望ましいと言えるでしょう。

ただ、どれだけ室内に快適なスペースができたとしても、活発に遊ぶのが大好きな大型犬にとっては屋外での遊びも欠かせません。庭があれば安全な環境で自由に遊ばせるエリアを作り、運動の機会を増やしてあげましょう。

飼育にかかる費用も高くなる

当然ながら、犬を飼うにはごはん(餌)やケア用品、おもちゃ、トリミング、予防接種、保険、定期的な健康診断などの出費があります。

特に大型犬は小型犬に比べ身体が大きい分、医療費やトリミング代、保険など、飼育にかかる費用も高く設定されているのが一般的です。

加えて、予期しない事態や緊急の事態が生じた際の医療費も考慮しておかなければなりません。もちろん個人差はありますが、大型犬の生涯にかかる費用は、およそ300万円~500万円程度と言われています。

運動や散歩の時間を確保しなければならない

大型犬種類_2

愛犬の健康維持には適切な運動量が必要不可欠です。特に運動量が多い大型犬は、散歩や運動のための時間を確保することが飼い主さまの責任と言えます。犬種や年齢、体力、健康状態などによっても異なりますが、一般的には1日2回、1回30分~1時間程度が目安となります。

また、ドッグランでの遊びを取り入れることも選択肢の一つです。さらに、肉体的な運動だけでなく、知的刺激を与えるトレーニングや遊びも犬の健全な成長には欠かせません。日々の生活の中で愛犬が十分に体を動かせる時間を作るよう心がけましょう。

しつけも重要

一緒に暮らす愛犬と互いにストレスなく生活するため、また愛犬の安全を守るためにもしつけは重要です。

特に、大型犬の場合、他人、他の犬への攻撃や問題行動(いたずらなど含む)が起こった時の被害が大きいため、特に飼い主さまが動きをコントロールするための訓練が不可欠。

飼い主さまが一貫したルールと断固とした態度で接する、できたら褒めて「まて」や「ふせ」など、基本的なコマンドで動けるようにトレーニングしましょう。

犬種別の性格や特長、その子の個性を理解してしつけを行うとともに、プロのトレーナーや獣医師のアドバイスを求めることも、成功への近道となるでしょう。

老犬など動けなくなった時の介護が大変

犬も年齢を重ねると、いずれは自分で動けなくなり、介護が必要になることがあります。寝たきりになるため、床ずれをしないようこまめに体勢を変えてあげなければなりませんが、30kg前後ある大型犬ともなれば持ち上げるのも一苦労。

愛犬の介護が必要になる頃に飼い主さまが責任を持ってお世話ができるのか、ご自身の年齢や体力も考慮する必要があると言えます。

大型犬を飼う前に、これらのポイントや心構えをしっかりと理解し、家族で話し合ってから迎え入れるかどうか決断するようにしましょう。

【まとめ】大型犬を飼うなら万全なお迎え体制を整えてから!

温厚で賢く、どの世代からも愛されている大型犬。愛くるしい可愛さや大型犬ならではの頼もしさもあり、家族としてお迎えすれば大切なパートナーとなってくれることでしょう。

しかし、力が強く大型の犬種だけあって、しつけが必要なことや飼育にかかる費用が高くなることは、知っておかなければなりません。

本記事でご紹介した心構えを頭に入れつつ、家族全員で責任を持ってケアできる環境を整えてからお迎えしましょう。